ロボットが欲しいのか分からなくなってきた

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さんこめという小さなロボットを作るぞ、と何度か言ってきたのですが、最近になって少し困ったことに気づきました。

もしかすると僕は、ロボットそのものが欲しかったわけではないのかもしれない。

これはけっこう困ります。 自分で作るぞと言っていたものを、自分が本当に欲しいのか分からなくなってきたからです。

僕は、長らく自分で何かを作って、世に出して、それで食べていきたいと思っていました。 だけど、何を作ればいいのか、どういう軸で活動するのがいいのかは、ずっとはっきりしませんでした。

やりたいことは「何かを作る」ことであって、 作った先に何かしたいことがあるわけではありませんでした。 仮にアイデアを出しても、一過性のものしか思いつかなくて、 数年くらいのスパンで情熱を持って続けられるようなものは、なかなか思いつきません。

そんな中、ここ数年は小さなロボットを作って売る、という方向に目標を置いていました。 しろくまMAKEの活動は、今では混ざってしまっていますが、 もともとはソフトウェアではなく、ハード向けのアカウントとして作ったものです。

ここ数年は、外の仕事でもハードウェア関係の仕事に取り組んできましたが、 実際に挑戦してみると、ソフトとは別の難しさがあることが身にしみました。

ソフトウェアの場合は、作ったものをストアに並べたり、Webサイトとして公開したりすれば、ひとまず人に届けられます。 もちろん売る難しさはありますが、作ったものを増やすコストはかなり小さいです。

一方、ハードの場合は、作るところのハードルは越えられるとしても、 実際に出荷することを考えると、一つ一つに原価もかかってきます。 自分ひとりで組み立てるなら、そのぶん時間もまるまる取られます。

電子回路の設計も、発注して、届いて、試して、また直して発注、というサイクルを通すと、 そもそも開発するだけでも思っている以上にコストが乗ります。 基板が届くまでの時間もあるし、部品を机に広げて、一つずつ組み立てて、また直す時間もある。

CADなどのソフトも高い。 自宅に買ったハード周りの機材も、もう数えていません。 法律的な制約もあります。 企業なら受け入れられるコストでも、個人でやろうとするとなかなかの負担です。

ソフトなら一人でもなんとかなりそう、と思えていたのですが、 ハードではどうやらそうもいかない気がするぞと、 進めるほどに自信がなくなっていきました。

ただ、ハードが難しいからソフトに戻る、という話でもありません。 同じ時期に進めていたアウトライナーの開発を通して、 自分がどんなものなら作り続けられるのかが、少し見えてきました。 毎日自分で使っていて、ここがもう少し楽だったらいいのにと思う。 そういう種類のものなら、直す理由が外からではなく自分の中から出てきます。

たぶん僕は、自分が本当に欲しいと思えていないものを、長く作り続けられないんだと思います。

かわいい。あったら面白そう。これはこれで、もちろん欲しいです。 でも、そのくらいの欲しさだと、たぶん数年は持ちません。 毎日触る。ないと困る。自分が客だったら迷わず買う。 そのくらいの強さがないと、自分ひとりで作り続ける理由にはならないのだと、最近気がつきました。

それで改めて考えると、少し困ったことになります。 僕は「さんこめ」のような小さなロボットを、本当に欲しいのだろうか。 机の上にさんこめが置いてあるところを想像してみました。 朝起きて触るか。仕事の合間に目を向けるか。何日も電源を入れたままにするか。

そう考えると、思っていたほど強くうなずけませんでした。 長期的には飽きちゃいそうな気がする。

少し見え方が変わってきました。

自分が楽しんでいたのは、完成したロボットそのものではなく、それを作る過程のほうでした。 回路を引いて、ファームを書いて、思ったとおりに動いた瞬間がいちばん面白い。 完成品はその副産物で、自分が欲しかったのは過程のほうでした。

であれば、僕が作るべきものは完成品のロボットではなく、その過程を支える道具のほうかもしれない。

3Dプリンターはあるのに、形を作るところで止まってしまう。 さんこめを作っていて、一番しんどかったのがそこでした。 CADやモデリングも、ほとんど初心者のところから始めています。 頭の中では、このくらいの丸みで、このあたりに部品を入れて、という形がある。 でも、それをCADで形にするところで手が止まってしまう。

最近は、そこを楽にするためにOhacoを作っています。 ブロックを組み合わせる感覚で3Dの形を作れて、 3Dプリンターは持っているけど、CADやスカルプトツールで詰まってしまった人でも、 形を出力まで持っていけるようにしたい。

ロボットそのものが本当に欲しいのかは、まだ少し分かりません。

ただ、ロボットを作る過程を楽にする道具は、いまの自分にはかなり欲しい。 アウトライナーも作り続けます。 ただ、今はそれと並行して、Ohacoも作ってみています。

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